杉並区の住宅地、南側のお庭です。

30年ほど経つベニカナメの生垣があったのですが、病気で半枯れになってしまい、様子を見ても回復の兆しが無いため、思い切って植え替え工事をすることになりました。

植え替え工事案として、斑入りマサキの生垣(A)、比較的ローメンテナンスで日陰に強く四季を楽しめるような樹種などを混植する案(B)を提案しました。

A斑入りマサキ生垣図面 B混植イメージスケッチ図面

結果、施主様のご要望として、目隠しはそこまで必要なく、風通しの良い植栽を楽しみたいとのことで、B案が採用となりました。

まずはベニカナメモチの抜根作業です。

抜根前に木への感謝の思いを込めて、施主様とお酒と塩でお清めをしてから、伐採抜根作業へと入ります。

 

根を掘ってみると、ややグラグラしており、大分深植えされていたようで、2段の根となっていました。

これはおそらく、最初の植え付けの際に30センチぐらい深く植えてしまったということです。

木を植え付ける際は、根元から広がる根張りという部分を、地面ぎりぎりに出すように植えなければいけません。幹と地中の根の樹皮は構造が違うので、深く植えると幹部分が傷んでしまいます。

それでも多くの木はすごい生命力で幹から根っこを出して何とか水分と養分を吸いあげ、一見普通に育っているように見えますが、樹勢はやや悪く、なんとなく部分的に生育が悪いように見え、水切れや病気に弱くなってしまいます。

支柱をせずに木が倒れないよう地面に深く植えてしまう業者さんが時々いるので困ったものです。

さて、次は植え付け作業へ入ります。病気もあったので土壌消毒と水はけ改善の土壌改良剤を施しました。

 

樹木を仮置きして、全体的なバランスを考えながら中木→低木→草物のように大きいものから配植していきます。

土留めとして石組みがあったので一部広げるように、ただし芝生の広さを感じられるよう組み直し、元気なベニカナメモチは残しました。

既存の利用できるものはできるだけ再利用するのがモットーです。

植栽は、日の当たり方、室内からの見え方、落葉性と常緑性のバランス等様々な要素を考えながら、できるだけ違和感なく自然なリズムになるよう配植しました。

最後に繊維製のマルチングを敷き詰めます。霜よけ、乾燥防止、下草の生長増進になります。

ただし雑草の抑制力はあまりなく、ヤブガラシも元気よく繁茂してしまうのでまめに摘み取る必要がありますが…。

  

花木としてリキュウバイや西洋ニンジンボク、ミツバツツジ等、一年中の緑として、ヒメアスナロやフェイジョア、カルミアなどローメンテナンスの木を、下草として既存のクリスマスローズやギボウシ、タマリュウ、みょうが等も適所に移植株分けし、四季折々の花を楽しめるようキキョウやフジバカマ、シランやイカリソウなど植えました。名札も付けています(^^)

施主様もこんなに庭がおしゃれな感じに明るくなるなんて、と大変喜んでくださいました。

また春になって葉が茂ってくるのが楽しみです。随時お庭の様子を更新していきたいと思います。

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