大分年数の経ったスダジイの剪定です。スダジイは椎の木の仲間でどんぐりも成る常緑広葉樹です、よくカシなどとも呼ばれます。昔は目隠しによく使われました。
剛健で剪定に強く、よく萌芽しますが、大きくすると20mぐらいの大木になることもあります。
こちらのスダジイも鬱蒼と茂っていましたが、以前に太い枝を強剪定されたせいで太枝や幹は中心部が腐り、「うろ(幹に空いた穴)」だらけです。

ですが、木というのは、種類にも寄りますが、皮部分にある維管束が無事であれば水分や栄養分を吸い上げることができるので、簡単には枯れないことが多いです。
特にスダジイはこのような状態でも一見元気そうです。ただ「うろ」が入った枝はどうしても折れやすくなるので、枝の付け根から切除するのが望ましいです。特にスダジイは萌芽力が強いので幹や太枝を伐採しても、また切り株から新しい芽が生えてきます。
こちらも伐採をお勧めしましたが、事情があって幹の伐採はできず、太枝を切除すると剪定の時の足場がなくなり、次の年の剪定がとてもやりずらくなるので、とりあえず太枝から出ている枝を減らして軽くする剪定を3年ぐらいしており、毎年勢いよく茂ってくれます。
するとなんとなく、「うろ」が大きく入った枝も血が通って強度を増したように思え、木ってすごいなあ、と改めて感嘆してしまいました。
うちの剪定は基本的に古い枝は若い枝に徐々に更新していくことを原則にしていますが、時に古枝を生かす現状維持の剪定も必要だなと思う現場です。
因みにカツラなど素材が柔らかい木は強剪定すると菌が入り枯れやすいので注意が必要です。
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